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その1.発酵大豆食物繊維について

発酵大豆食物繊維とは

発酵大豆食物繊維(発酵繊維)は、「乳酸菌生成エキス」の製造方法の要である高効率乳酸菌発酵を応用してできる機能性食物繊維素材です。

発酵を受けた大豆食物繊維は、合成着色料や農薬、環境ホルモンなど様々な化学物質を吸着する能力が付加されることが実験的に確かめられています。体内不要物の排泄や再吸収抑制、あるいはメタボリック指標の改善に有用な素材として利用されています。

発酵大豆食物繊維の製法

発酵繊維は、おから成分(食物繊維)を含む大豆丸ごとを「乳酸菌生成エキス」と同様の16種類の乳酸菌で発酵させ、さらに乾燥・粉末化してできあがります(図1)。

図1:発酵大豆食物繊維の外観

発酵大豆食物繊維の特徴

発酵大豆食物繊維のポア構造
乳酸菌発酵による食物繊維量の変化

発酵繊維は、乳酸菌の発酵により、特徴的なポア(穴)構造を有します(図2)。この構造は、乳酸菌発酵時に、可溶性食物繊維の一部が乳酸菌により消化されたためにできるものと考えられます。

事実、発酵前後の食物繊維量を比較すると、不溶性食物繊維には変化が認められませんが、可溶性食物繊維の減少が認められます(図3)。このポア構造により、化学物質に触れる表面積が広がり、吸着効果が上昇するものと考えられます。

なお、化学物質の吸着は、食物繊維画分の化学的性質の変化に起因するものと考えられています。発酵度合いと吸着能には相関が認められ、16種類の乳酸菌による高効率発酵システムの寄与が大きいのも特徴です。

実験的には、タール系の合成着色料にはじまり、ビスフェノールAなどの環境ホルモン、除草剤などの農薬に対する強い吸着性が確認されており、また水溶性ビタミンやペプチド、核酸などの栄養成分は吸着しないというファジーな特性を持つことも特徴とします。

発酵繊維は、体内不要物の効率的な排泄や化学物質の腸肝循環等の悪循環の抑制、大豆にも共通した脂質の代謝改善効果が期待できる新規の機能性素材として注目されます。

発酵大豆食物繊維の 
 化学物質吸着性

合成着色料や農薬など
体に不安な化学物質を
吸着することがわかりました。
【実施者】
㈱ビーアンドエス・コーポレーション 八王子研究所

要約

発酵大豆食物繊維(発酵繊維)は、高効率乳酸菌発酵を応用してできる機能性食物繊維素材として応用が期待されている。様々な化学物質の吸着性を検討したところ、合成着色料である赤色色素や青色色素を強固に吸着することが認められた。また除草剤成分やビスフェノールAの吸着も確認され、有用な機能性素材として利用できることが明らかとなった。

目的

乳酸菌の発酵を受けた大豆食物繊維は、特徴的なポア構造を有する。このポア構造の意味や発酵産物の機能性を解析することを目的に、化学物質の吸着性について検討を行った。

方法

合成着色料(赤色1号)、農薬(市販の除草剤)、ビスフェノールA溶液を用意し、発酵繊維を充填したカラムに流し込み、吸着試験を実施した。農薬に関しては、カラム通過溶液を使用してカイワレ大根を栽培した。また、ビスフェノールAは、HPLC法にてカラム通過溶液を分析した。なお、対照としては、未発酵大豆パウダーを用いた。

データ&グラフ

図1:発酵大豆食物繊維量の赤色色素吸着、図2:発酵大豆食物繊維の農薬吸着による無毒化、図3:発酵大豆食物繊維のビスフェノールA吸着

結果および考察

未発酵大豆パウダーと発酵繊維の赤色1号に対する吸着性を比較すると、未発酵大豆パウダーは、色素をほとんど吸着しないのに対して、発酵繊維は強い吸着性を示した。過剰量の水で洗い流しても、かい離することはなかった(図1)。

1%農薬溶液でカイワレ大根を栽培すると、ほとんど発芽が認められないが、農薬溶液を発酵繊維充填カラムに通した溶液では、通常通りに発芽し生育した。このことは、発酵繊維が農薬成分を吸着し、無毒化したことを意味する。

また、環境ホルモンの1つであるビスフェノールAもカラム通過溶液では、まったく検出されず、強い吸着性が示された。

以上のように高効率乳酸菌発酵を受けた大豆食物繊維は、様々な化学物質に対して強い吸着性を示すことが明らかになり、体内浄化の優れた機能性素材として有用であると考えられる。

発酵大豆食物繊維の 
 メタボリック改善効果

悪玉コレステロールや
尿酸値を低下させることが
わかりました。
【実施者】
㈱ビーアンドエス・コーポレーション 八王子研究所, BOOCSクリニック福岡
平成21年ものづくり中小企業製品等開発支援補助金補助事業

要約

大豆を高効率に発酵させた素材の食物繊維画分は優れた化学物質吸着性を持ち、合成着色料、除草剤をはじめとした農薬や環境ホルモンなどを吸着する性質を備えている。本試験では、発酵大豆食物繊維(発酵繊維)の医学的な効果を実証することを目的として、医療機関との協力体制をとり、医学的手法を用いて生体機能の評価を行った。その結果、4週間の発酵繊維摂取によって、摂取前と比べLDL−コレステロール値および腎機能の指標値が低下する傾向が認められた。これらのことから発酵繊維の摂取により脂質代謝、尿酸代謝および腎機能が改善される可能性が示唆された。

目的

独自発酵技術により開発された発酵繊維は、様々な化学物質を吸着する性質を備えている。これは肝機能や腎機能等の改善につながるものであり、生活習慣病予防の観点から極めて有望であると考えられる。本試験では、消費者の健康ニーズに対応するため、発酵繊維の医学的な効果を実証することを目的として、医療機関との協力体制をとり、医学的手法を用いて生体機能性の評価を行い、その有効性を検証した。

方法

肥満または脂肪肝と診断されているLDL−コレステロール値120mg / dl以上の者20名を対象とし、4週間の発酵大豆食物繊維摂取効果を評価した。発酵繊維の摂取は1日1回500mg(原則として朝食後)として、摂取前および摂取期間終了後(4週間後)医師の診断を受け、各種検査を実施した。

なお、本試験は医療法人社団ブックスBOOCSクリニック福岡臨床試験審査委員会の承認後、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則を尊重して実施した。また、本試験は、平成21年度ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(実証支援事業)補助事業(平成21年11月27日付け21センター発第2002号)の補助を受け、実施したものである。

データ&グラフ

表1:肝機能指標値の変化

結果および考察

動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、一次予防(まず生活習慣の改善を行う)としての脂質管理目標値LDL−コレステロール値160mg/dl未満とされている。

そこでLDL−コレステロール値160mg/dl以上(摂取前)の被験者について発酵繊維摂取前と摂取終了後のLDL−コレステロール値を比較すると減少傾向が見られ、特にLDL−コレステロール値190 mg/dl以上(摂取前)、非常に高値群の被験者では、5名のうち4名で摂取終了後LDL−コレステロール値が減少(7.3%〜30.2%)していた(図1)。

また腎機能の指標であるクレアチニンおよび尿酸値が統計的に有意に減少していることも同時に認められた(表1)。

これらの結果から高脂血症患者において、発酵繊維摂取により脂質代謝、尿酸代謝および腎機能が改善する可能性が示された。

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