乳酸菌生成エキス研究室乳酸菌生成エキス研究室
乳酸菌生成エキスの不思議 乳酸菌生成エキスの不思議

03.機能からみる乳酸菌生成エキス

こちらのページでは、大まかな乳酸菌生成エキスの機能についてお伝えします。

乳酸菌生成エキスの機能と成分

図7:乳酸菌生成エキスの成分と機能

乳酸菌生成エキスは、いわゆる生きた乳酸菌は一切入っていませ ん。一般的な乳酸菌関連製品との大きな違いは、ここにあります。含まれる成分としては、基本的に乳酸菌の分泌成分(代謝成分)や乳酸菌自体の分解成分(菌体成分)に分けられます。

図8:乳酸菌生成エキスの分泌成分と菌体成分の機能

大まかな機能面で分けて考えると、分泌成分は“なわばり成分”とも呼ばれ、自分以外の細菌の増殖を抑制し、逆に善玉菌の増殖を促すものと考えられています。そのため、腸内の細菌バランスに働きかけ、善玉菌優位な理想的な腸内環境を保つと考えられます。一方、菌体成分は、腸管免疫系に作用し、全身の免疫バランスを整える作用があると考えられています。事実、16株の乳酸菌を培養した上澄み液(乳酸菌の分泌液を含む培地)は、食中毒菌として知られる黄色ブドウ球菌の増殖を極度に抑制します。また、菌体成分の一部を取り出し(精製)、免疫細胞に作用させると免疫伝達物質であるサイトカインの一種の産生を促すことも実験的に確かめられています。実際の体内では、これら2つの作用(腸内環境の改善と免疫系の調節)は、複雑に相互に絡み合っています。「乳酸菌生成エキス」は、これらの複雑系に協調的に働きかけ、体内調和をもたらします。

乳酸菌生成エキスと免疫

免疫機能のへの影響は、プロバイオティクス乳酸菌やその関連製品で多くの報告がなされています。「乳酸菌生成エキス」についても免系と関連するデータがいくつか得られています。

「乳酸菌生成エキス」の経口摂取によって、①腸管リンパ球、特に大腸NK1.1+T細胞の増加とそれに伴う血中インターフェロンγの増加や②NK細胞活性の活性化、その他好中球(リンパ球の一種)の貪食活性の増加、インターロイキン2産生の増加、血中IgAおよびIgM増加など様々な影響がマウスにおいて明らかになっています。

マクロな視点からの解析では、老齢マウスのパイエル板において、「乳酸菌生成エキス」投与群では免疫細胞が活性化している画像が得られています。また、免疫機能の調節・活性化と関連して、大腸ガン発生モデルマウス(DMH誘発)における腸管内の腫瘍発生率の低下や微小腺腫発生率の低下作用があることも見いだされています。

臨床事例では、2症例ながらアトピー性皮膚炎における改善例も確認されており、アレルギーの指標になる血中IgE値の低下も認められています。

以上のように「乳酸菌生成エキス」の経口摂取は、免疫機能の調節あるいは活性化を引き起こします。その結果として、アトピー性皮膚炎の改善や大腸腫瘍発生率の低減が引き起こされるものと考えられます。

培養細胞を用いた試験では、「乳酸菌生成エキス」中の核酸成分が関与しており、「乳酸菌生成エキス」の免疫機能調節活性成分の一つとして乳酸菌由来の核酸が機能していると考えられます。しかしながらこの核酸だけでは、これまで紹介してきた「乳酸菌生成エキス」の免疫機能に及ぼす多様な影響は説明しきれないのも事実です。

腸管は人体最大の免役器官でもあります。腸内環境、特に腸内細菌と腸管免疫系は非常に密接な関係があり、複雑系と複雑系が融合した超複雑系です。また、同様に「乳酸菌生成エキス」も高効率発酵システムから得られる超複雑系です。超複雑系×超複雑系となると概要を統一的に理解するには、まだまだ時間が必要なようです。

乳酸菌生成エキスと腸内細菌

図9:ヒト腸内細菌の構成

「常在菌」 と言われる様々な種類の細菌が我々のカラダに土着して住んでいます。ヒトの場合、常在菌が最も多く存在するのは腸管ですが、その種類はひとり当たり160種程度、数にして100兆個以上と言われています。ある記述では、1,000兆個とも言われています。また、遺伝子の数を類推した研究では、ヒトの遺伝子数は、約2万〜2万5千個ですが腸内細菌由来の遺伝子はその150倍にあたる330万個だと推定されています。腸内細菌になりうる細菌種は、1,000種以上になると推定されており、それらの細菌が個人個人で異なるバランスで定着しています。

このような腸内細菌は、我々ヒトが分解できない食物成分などを分解してくれたり、ある種のビタミンやホルモンなどを合成してくれたり、腸内環境の維持にとても重要な働きをしています。腸内細菌と我々の健康状態との関連は密接で、現在では免疫系、大腸ガン、肥満、脳の発達、寿命などへの影響が盛んに研究されています。

では、腸内細菌のうちで善玉菌とされている乳酸菌に関してはどうでしょうか。 分類学的には、ビフィズス菌は乳酸菌と区別されていますが、腸内細菌叢の構成菌としてラクトバチルス属やストレップトコッカス属よりも遙かに構成比率が高く、腸内での役割も重要であるので、ここではビフィズス菌も含めて、「乳酸菌」として扱いたいと思います。様々な研究からビフィズス菌や他の乳酸菌も種レベルあるいは株レベルで、各個人で保有している菌種が異なること、さらに菌構成の安定度や経時変化度も個人でバラバラであることがわかってきています。また、市販のビフィズス菌を生菌として摂取した後の糞便中のビフィズス菌数をモニターする試験を実施すると、摂取期間中はビフィズス菌数が増加するが、摂取を停止すると1週間で元の水準に減少することが観察されています。この結果から考えると外来の菌株は、宿主に定着・定住できないと予想され、「私には私の乳酸菌」が存在し、さらにこれらの菌構成や安定度は決して一定ではなく、年齢やライフスタイルの変化によって変わっていくようです。

以上のことを考えると、より多くの人の腸内細菌バランスを効果的に改善するには、生きた乳酸菌を大量に摂取するのではなく、自身の保有する独自の乳酸菌をととのえ、固有の腸内細菌のバランスを保つことが大切だと言えます。まさに、「乳酸菌生成エキス」はこのような考えのもと生まれてきました。「乳酸菌生成エキス」は、生きた乳酸菌は一切含んでいませんが、自身の腸内細菌に働きかけ、バランスを調節することができます。健康な成人男女における摂取試験では、摂取後はビフィズス菌の量が増え、それとリンクするように有機酸の一種である酢酸が増加します。ビフィズス菌が増えていたのはもとより、腸管保護成分であり腸内環境の指標となる酢酸量に差が出たのは非常に有用だと考えられます。

この事例のように、腸内乳酸菌類が増加することで、「私には私の乳酸菌がいます」、「私の乳酸菌を増やしましょう!」􀀁 と言うことができます。確かに腸内有用菌が増えることはいいことです。同時に、腸内細菌全体としてのトータルバランスが重要となります。「乳酸菌生成エキス」には、それを調節することができると考えられます。

乳酸菌生成エキスと腸内環境

ここからは、実際に「乳酸菌生成エキス」を摂取するとどのような変化が起こるのかについて、簡単にお伝えします。

●便通改善について

便秘傾向(3回 / 週以下)の女性を対象とした試験結果では、「乳酸菌生成エキス」摂取により①排便回数、②排便量、③排便日数、④便水分量のすべての項目において改善効果が認められています。

●肌改善について

女性や妊婦を対象にしたアンケート調査において、「乳酸菌生成エキス」の摂取により、便通、肌の調子が良くなるという結果が出ています。

別の試験で数値的にも変化が明らかになっています。20—70歳代の健康な女性を対象に「乳酸菌生成エキス」飲用前後における肌状態を調査した結果、飲用後は肌のキメを構成する皮溝がキレイにととのい、皮丘の形の良いキメ細やかな肌に変化している様子が観察されています。このように乳酸菌生成エキスを継続的に飲用することで、肌の微細な構造(キメ)がととのうことが数値的にも示されています。アンケート結果からも、「化粧のノリが良くなった」 との声が多いのも印象的です。

以上の結果は、単純に「便通がよくなった」、「肌がよくなった」 と考えがちですが、その裏にはもっと重要なことがあります。腸内環境が悪化し、腸内細菌のバランスが崩れて 「悪玉菌」 優性の状態に陥ると、悪玉菌の作り出すアンモニアや硫化物、ある種のアミン類などの腐敗物が腸内で増加します。これら腐敗成分は、腸管の細胞から栄養素と一緒に取り込まれ、血液の質の低下を招きます。このような状態では、便やおならも臭く、肌も荒れてくるのは当たり前です。肌の荒れは、細胞の傷害度合いを写した鏡のようなもので、他の組織・全身の細胞にも影響がでてくると思われるからです。

「乳酸菌生成エキス」を摂取して「便通がよくなった」、「便臭がしなくなった」、「肌が整った」 ということは、腸内細菌のバランスがととのい、それによって作られる血液の質も向上して全身に行きわたり、細胞がいきいきとしてきた証拠といえます。「肌がよくなった」=「全身の細胞が元気になった」 ではないでしょうか。

幅広い乳酸菌生成エキスの機能

乳酸菌生成エキスの摂取効果は、その他さまざまな方面から研究されています。その根本には、やはり「腸管免疫系の調節」、「腸内細菌バランスの調節」、およびそれらから引き起こされる「腸内環境の改善」効果があると考えられますが、興味深い事例を2例ほど紹介します。

インドキシル硫酸は尿毒症物質の一つであり、血管内皮障害や糸球体硬化の促進に関与するものと考えられています。維持透析患者における乳酸菌生成エキス摂取による血中インドキシル硫酸およびその他の因子への影響を検討したところ、血中インドキシル硫酸および血中尿素窒素(BUN)、血中無機リン(P)値に低下が認められました。

これらの事象から乳酸菌生成エキスの摂取により、腸管における尿毒素の産生を低下していることが考えられます。食事で取り込まれたタンパク質は、腸管内で加水分解されトリプトファンが生成されます。このトリプトファンは、一部の腸内細菌によってインドキシル硫酸の前駆物質であるインドールへと変換されます。「乳酸菌生成エキス」の摂取により、腸内細菌のバランスがととのい、インドールの産生が抑制されている可能性が考えられます。また、血中BUN値は、タンパク質摂取量、タンパク質代謝量、腎機能の3因子によって規定されることから、維持透析患者におけるタンパク質代謝を改善している可能性も考えられます。

近年、「乳酸菌生成エキス」は歯科分野でも広く利用されるようにな ってきました。その基本的概念としては、唾液の機能向上にあると考えられています。唾液には、消化作用はもちろんのこと、その他様々な機能がありますが、口腔内環境を主に考えた場合、pH緩衝作用と抗菌作用があげられます。「血液の質」 が 「唾液の質」 に大きく関わると考えられており、血液の質を左右する腸内環境をととのえることは、重要であります。「乳酸菌生成エキス」摂取による口腔内細菌の変化を調べると、レンサ球菌の一種で虫歯の原因菌のひとつであるミュータンス菌数の減少が確認されます。「乳酸菌生成エキス」の摂取は口腔内細菌量のコントロールを可能にして、毎日の口腔ケアへの応用も可能であることがわかります。

以上のように、「乳酸菌生成エキス」の摂取は、様々な効果を発揮します。腸管免疫系の調節にはじまり、腸内細菌叢の変化誘導、アレルギー疾患の改善や大腸ガンの発生抑制効果などの臨床的観点からもその有用性は示されています。また、腸管機能とは遠い肌質や腎不全進展因子、口腔内環境へも影響することがわかってきました。おそらく共通して起こることは、免疫系の調節作用と腸内細菌バランスの調節による腸内環境の改善だと考えられます。肌質や腎不全進展因子、口腔内環境の事例は、「腸管の機能の健全さが全身の健全さにつながる」 ということを改めて実感させられます。

図10:腸管細胞・腸内細菌・腸管免疫の有機的なつながり

腸内環境は超複雑系で成り立っています。我々ヒトの細胞だけでは、語ることのできない無数の微生物との共生という小宇宙を形成しています。腸管細胞と腸内細菌との相互関係とさらに腸管免疫が有機的に相互に関わり合ってはじめて腸管の機能は、発揮されるものと考えられます。そのすべての場面に「乳酸菌生成エキス」は絡んでくるはずです。「乳酸菌生成エキス」は非常に多様な成分から成り立っています。様々な微量な成分が、個々のターゲットに作用し合ってはじめて、表現系として現れてくるような印象です。一つ一つの作用は、微弱でも代謝というシグナル増幅経路をへて機能が発揮されると考えています。

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